見るからにボロボロの超中古住宅。
結局5年後にシロアリが大量発生。建て替えました。
私はその後、トリマー、ファイナンシャルプランナー、宅建士の資格をとり、不動産会社で2年間働いた経験があります。
知識を得た今だったら、絶対に手を出さない物件です。
「こんな物件買ったの?バカだなぁ。」
「私なら絶対に買わないわ。」
と思う人もいるでしょう。私もその一人です(-_-;)
失敗だったとは思いますが、後悔はしていません。
なぜなら超ボロ中古住宅を楽しんだから。
物件の買い方さえ間違わなければ、中古住宅はペットを飼うために充分にありえる選択肢です。
大型犬の子犬を飼ってみたい人にはむしろお勧めします!
この記事を読めば、中古住宅を買う時の失敗ポイント・成功ポイントがわかります。
ラブラドールレトリバーを飼いたい!じゃあ家を買おう!
結婚して1年たって、どちらともなく「犬を飼いたい。しかも大型犬!」と意見が一致。
私は犬を飼ったことがなかったので、インターネットのない時代、本を読んで勉強。
分かったことは、大型犬の子犬は破壊力が凄まじいということ。
3頭のラブラドールと暮らして実感!
夫の趣味のウィンドサーフィンができて、私の実家に近い知多半島で中古住宅を探すことに。
中古物件で「やりたいこと」が明確だったこと。
失敗だらけでも、楽しい思い出が出来て最終的には後悔はしていません。
新聞のチラシ・折り込み広告しかない時代。個人の不動産屋を渡りあるく
ネットがない時代なので、情報収集はすべてアナログ。
名古屋市に住んでいては情報がないので、実家で新聞の広告を見るか、折り込みチラシを取っておいてもらうぐらいしか方法はありませんでした。
そのチラシですら休日に実家に行かないと手に入らない。
私たちは不動産屋に行って、情報を集めることにしました。
今だったら、間違いなくネットで一括資料請求します。
立地の条件は、私の通勤のために駅に近いこと、夫の通勤のために幹線道路が近いこと、海が近いこと、騒々しくないこと。
一生住む家の立地はとても重要です。
妥協すると後悔が続くことに。
3か月ほど、休みのたびに不動産屋めぐりをしましたが、
「そんな物件ないよ。」
の一言で、ろくに話も聞いてもらえず、1軒も紹介されません。
私たちの親世代(70代・80代)がまだ現役時代だった当時。
今よりずっと中古住宅の数が少なかったんだとは思います。
しかし、休みのたびに不動産屋に行って呪文のように同じ返事を聞いていると、望むような中古物件はないんだと思い込まされる。(-_-;)
どんどん疲れて、投げやりな気持ちになりました…。
知識もなく相場も知らずに不動産屋めぐりをしても、疲れるだけ。
中古住宅の購入方法の本を2,3冊は読んで、ネットで物件や相場も調べよう。
諦めかけてきたころ、実家に1枚の広告が入る
実家に1枚の広告が入りました。
無人駅だけど、駅から徒歩4分。自動車専用道路のインターからすぐ。海まで車で5分。昔は別荘地として売りに出された土地とのこと。
売値は2,800万円。当時でも高い金額だったと思います。
ライフプランを何も考えていない、無知な決断でした。
しかも引っかかることが…。
「築年数不明」
とりあえず見に行きましたが、あまりの古さにびっくり!
いくら大型犬に壊されてもいい家とはいっても、本当に倒壊してしまうんじゃないの?
しかも駅近のもと別荘地、駐車場がない。前面道路の傾斜もきつい。
なのに最終的に私たちがこの家に決めた理由は、庭が道路に面していない。隣家の庭とも高さが段違いということでした。
大型犬のドックランに最適だったんです。
実際に人も住んでるし、この際古すぎる築年数には目をつむろう!
ただ初めての大きな買い物なので、きっぱりと決断できずにいました。
ボロボロでも人が住んでいたこと。
人が住んでいるということは、最低限の暮らしは今の状態でも出来ている。
長年人が住んでいない中古住宅は生活が出来るかどうかが要注意。(特に水回り)
知識ゼロの私たち。営業マンがうそ?
この家、人が住んでいたんですが、社宅として社員に貸し出されていた戸建でした。
広告を出した不動産会社の営業マン、内覧した当日に名古屋の自宅まで来ましたね。
話しをすると偶然にも同じ中学の先輩。
親しみ感じちゃいますよね。それだけで、信頼しちゃったんです。
「他にも検討している人がいる。」という決まり文句です。
それで購入を決心したのですが、住人さんいわく、
「家が売れたって聞いた時、見に来たのはあんた達だけだったからすぐ分かったよ。」
(-_-;)
「他にも検討している人がいる。」というセリフは買いたい人の気持ちをあせらせて、早く決断させるための手段として使う営業マンもいるでしょう。
私たちは何も知らない、営業マンにとっていいお客さんでした。
「他にも検討している人がいる。」という言葉に決断をあせってしまった。
今ならこんなセリフを言う営業マンは少ないかもしれませんが、もし言われても、決してあせらず、本当にその物件が気に入っているのか自問自答してくださいね。
売主は経営の傾いた法人。危ない売買契約。
建物は解体しないで使うので、解体費用200万円は値引きしましょうということに。
売買代金は2,600万円。諸費用を入れて2,800万円。
売主は、「えっ?この人が社長?」という感じの人。
この人に、強制的に決断させられたと言ってもいいでしょう。
なぜなら、すでに頭金の500万円を支払っていたにもかかわらず、物件を担保にお金を借りていたからです(-_-;)
あと何か月かで売買代金が入ってくるにもかかわらず、それを待てずに土地を担保に融資を受けたということは、かなり資金繰りが厳しかったということ。
営業マンも「ありえない!」と怒ってましたが、被害を受けるのは営業マンではなく私たち。
私はキャンセルしたい気持ちでいっぱいでした。が、
奥さん、買ってください!この状態では頭金が戻ってこないかもしれません。
そんなことあっていいのか?というほどのひどい話です。
私たちを逃さないための手段だったのでは?とさえ思えます。
気持ちはスッキリしないまま、決済当日。
極めつきは売主が遅刻。最後までありえないの連発です!
27年たった今でも忘れないのは、売主がお尻をかきながら悪びれもせずに入ってきたこと。(;゚Д゚)
私たちに謝罪のひとこともありません。
売主に融資した銀行の行員がテーブルの後ろに直立していて、決済したその場で現金を持って帰るという異様な光景。
危険な売買だったと、今考えるとゾッとします。
・不動産会社のいうままに高額な頭金を支払ったこと。
・どのタイミングで何のお金が必要なのか、勉強していなかったこと。
・売主が法人の場合は資金繰りが悪化して手放す場合が多いので要注意。
最大の失敗は価格
気持ち的にはすっきりしなくても、一度は買おうと決めた物件だったので結果は同じですが、最大の失敗は、なんといっても価格。
のちに隣家は、うちより築年数が浅い中古住宅を数年前に2,000万円で買ったと知りました。(-_-;)
同じ物件ではないにしても、すでに600万円も差が…。
もっと価格交渉するべきでした。
当たり前ですが、営業マンは売買価格を下げたくないと思っています。
中古住宅の仲介をする不動産会社は仲介手数料が唯一の売り上げで、その金額は
仲介手数料=(売買価格(税抜)×3%+6万円)×消費税
と法律で決まっているので、売買価格が下がると仲介手数料も減ってしまう。
私たちの場合、売主と買主の仲介業者が同じ業者で、不動産業界でいう両手取引でした。(片手取引は売主側に1社、買主側にも1社が立ち、間に2社が入る形をいいます。)
仲介手数料が減ったとしても、両方から仲介手数料が入るので、
価格交渉はしたくないけど、売れないのはもっと困る。
これが本音です。
新築物件と違い、中古物件は相場があったとしても売主が自由に価格を決められます。
(新築物件は建築会社のコストと利益があるので、大幅な値引きは難しい。)
売主の売りたい事情によって、価格交渉の成功率が変わってくるのです。
ファイナンシャルプランナーの資格を取った今なら、中古住宅購入を失敗しないためにすることは、
ライフプランをしっかりと立てて、住宅購入のための金額を決め、欲しい物件の価格をその金額に近づけるために努力する
絶対にこの金額以上は出さないと決意して粘り強く交渉しないと、営業マンが乗り気でなさそうだと、「めんどうだし、まあいいか。」と1円の重みを考えずに決めてしまいがち。
実際に私も値引き交渉はしたんですが…。
もうちょっと値引きしてもらえませんか?
これ以上は売主さんが怒っちゃうかもしれないなぁ。
そうですか…。
これ以上と言っても、実際は解体費用分の200万円を引いただけで、値引きらしい値引きはされていません。
知識がなかったので、「そんなものなのか。」とあっさり引き下がってしまいました。
でもこれ、営業マンが値下げ交渉したくなかっただけなんだと、今ならわかります。(-_-;)
売主さんに聞いてみてくれませんか?
こちらの予算は〇〇万円なので、持ち帰って検討します。
いちばん大切なことは、自分のライフプランです。
決していい人にならずに、しっかりと値引き交渉をしましょう。
値引き交渉が不可能だった場合は、潔く諦めるか、予算を見直してでもその物件を買う理由があるのかどうか、紙に書きだして再度検討してみましょう。
私たちは結局家を建て替え・売却後にはローンは残りませんでしたが、資金計画はずさんだったと反省しています。
不動産は人生でいちばん高いな買い物。
失敗するとライフプランニングのダメージはとてつもなく大きいです。
良かったことは「楽しめた」こと
結局、私たちはこの家を5年後に建て替え、17年後に売却して親と同居しています。
資産的には他にもたくさんの失敗をしてきました。
50歳でファイナンシャルプランナーと宅建士の資格を取りましたが、もっと早くに勉強していたなら、もっと蓄財が出来ていただろうと心から反省しています。
でも、後悔はしていません!
この家でなければできない、貴重な経験がたくさん出来たから。
この家に住んでいた5年間は本当に楽しかったのです。
まとめ
中古物件は大型犬を初めて飼う人にはお勧めです。
犬の爪で傷がついたり、柱をかんだり、粗相をしたり。
犬を飼うと、そんなことが日常的におこります。
自分のライフスタイルで何がいちばん大切かをしっかりと考え、資産計画、中古住宅の購入方法、物件選びを間違えなければ、中古住宅は新築以上の満足感を得ることもできます。
- 犬に家を傷つけられても、いちいち気にしたくない人
- DIYに興味がある。やってみたい人
- 中古住宅探しにじっくりと取り組める人
- 戸建てに住みたいけど、費用は抑えたい人
- 古い物の中に良さを見つけられる人
あてはまる人、中古住宅も考えてみてはいかがでしょうか?